世界の人口は年々増加していき、人口が増え続けている東南アジアやアフリカなどは近い将来、飲料水不足になると言われています。
その原因は、人口増加もありますが、浄水処理の設備が不十分であったり、環境汚染や上下水処理のインフラ設備が不十分であったりと、様々な問題があるためです。
そこで、中国の研究チームが、タバコの灰を加工した物を水のフィルターに使用すると、汚染された水を綺麗にするという研究結果を発表したのです。
タバコの灰が水をろ過フィルターになる?
中国科学院のJiaxing Li氏が率いる研究チームが、タバコの灰を酸化アルミニウムでコーティングをしたものを、水をろ過するフィルターとして使用すると、水中のヒ素を取り除くのに非常に効果的だと研究結果で出たそうです。
タバコの灰の多孔性が、水のフィルタリングに大変適している構造で、タバコの灰を酸化アルミニウムでコーティングすることで、汚染された水に含まれている、ヒ素などを取り除くことができるのです。
タバコの灰を使用することはコストがあまりかからない?
年々減っているとはいえ、世界中には数え切れないほどの愛煙家の方達がいます。特にインドネシアは、国内の喫煙率が70%を越えているとも言われています。
ということは、世界中にはそれだけの数のタバコの灰があるわけです。
それと同じ数だけ、タバコの葉が生産されています。
タバコも元を辿れば植物です。石油や天然ガスのように数が限られているわけではなく、お米やトウモロコシのように環境が整っていれば、大量生産が可能です。
世界中からタバコの灰を集めなくとも、大量に生産されたタバコ葉から、水をろ過するフィルター用にタバコ葉を燃やし灰を集めればコストがあまりかからないと言えます。
少しもったいない気もしますが。
世界の人口推移と水不足
2014年10月30日現在で、世界の人口は約72億人です。
世界の人口は1分で約137人、1日で約20万人、1年で約7千万人増え続けています。
日本の人口は年々減り続けていますが、世界中では人口が増え続けています。
その影響で特に問題視されているのが、食料不足です。その中でも飲料水の確保が生きていく上で絶対必要です。
中国科学院のJiaxing Li氏が率いる研究チームが発表した実験結果で、ヒ素を取り除くだけに着目しても、約1億3700万人の水問題を解決できると言われています。
この先、科学の進歩で様々な水の問題が解決できると、もしかしたらタバコが世界中の水不足を救うかもしれませんね。