喫茶店などでコーヒーを注文すると一緒についてくる皿(コーヒーソーサー)は過去現在未来も砂糖やミルクを置く用途や、こぼれた時の受け皿だと思っていましたが、その昔の使い方は違うようでした。
本来の使い方はこちら
18世紀ごろ主にフランスやイギリスでは熱いコーヒーを冷ますために、コーヒーソーサーにコーヒーを注ぎ、冷ましてからズルズルとすすって飲んでいたそうです。
ルイ・マラン・ボネの「コーヒーを飲む女」(1774年)という版画
当時のコーヒーソーサーは現在よりも少し深い皿を使用していたようです。
しかし、当然といえば当然なのですが、この飲み方は無作法と言われ、労働階級の飲み方だと避難されるようになりました。
このような飲み方になった理由
コーヒーの文化が入ってきた当初は茶碗のようなもので飲まれていて、もっと優雅にコーヒーを愉しみたいと貴族達がコーヒーソーサーを使うようになりました。しかし、ヨーロッパの食器はほとんどが皿で、その習慣のせいなのか、コーヒーをソーサーに注いで飲まれるようになったといわれています。
現代のコーヒーソーサーの役割
20世紀初頭までこの飲み方は続いたそうです。
現代ではそのような飲み方をする人はいなくなり、コーヒーを直接カップから飲まれるようになると、ソーサーの役割が現代のように砂糖やミルクを置いたり、かき混ぜるスプーンを置いたりする用途で使われるようになり、ソーサーの深さは浅くなって、現代の形になりました。