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コーヒー

3通りあるコーヒーの精製方法

2、第一選別

コーヒーの実には、中心部に楕円形をした一対の種子が入っています。種子は外皮や薄い内果皮、果実に覆われていて、熟した実をそのまま放置しておくと短時間で腐敗してしまいます。精製というのは、外皮や果肉を除去し、コーヒービーンズを果実から取り出す作業のことで、コーヒー豆は精製されて初めて長期におよぶ保存に耐えられるようになります。1kgのコーヒー生豆を得るのにおよそ5kgの果実が必要になります。

精製方法は乾燥式と水洗式、それと両者の間にあたる半水洗式の3通りあります。精製されたコーヒーの生豆の色は、コーヒー豆の種類や含水量によっても異なりますが、おおむね濃い緑色をしています。

 

 

3通りの精製方法

乾燥式

採取した果実を乾燥させて脱穀し、生豆を取り出す方法で、天日乾燥法と機械乾燥法があります。天日乾燥法は文字通り果実を露天の乾燥場に広げ、天日によって乾燥させます。乾燥日数は果実の成熟度にもよりますが、完熟度が高ければ数日、未成熟であれば1〜2週間は要します。

さくらんぼのように赤かった実も1週間もすれば黒く変色し、外皮と果肉が固くなってはがれやすくなります。夜間はシートをかけて夜露を防ぎ、黒く乾燥させたドライチェリーにします。順調に乾燥が進めば含水量は11〜12%ほどになります。

自然乾燥法は作業工程が単純なうえ設備投資も少なく、比較的低コストでおこなえるため、かつてはほとんどの生産国がこの方式を採用していました。しかし天候に左右されたり精製日数がかかるため、現在ではほとんどのアラビカ種生産国が水洗式に切り替わっています。

ブラジルは現在でも自然乾燥式が定着しています。それには理由があり、生産量の膨大なコーヒー豆を精製処理するだけの水量が確保できないというのがまず1つ。次に大規模な生産方式、広大な平地を確保できるという特有の地形も自然乾燥式に向いています。ですが中には水洗式を採用している州もあります。

乾燥式の欠点は不純物や欠点豆などが多く混じってしまうことで、豆の外見も水洗式の綺麗な豆に比べると、どうしても見劣りがしてしまいます。

 

水洗式

水洗式の精製が始まったのは18世紀の半ば頃といわれています。工程としてはまずコーヒーチェリーから果肉のみを除去し、次は内果皮に残った果肉のぬめりを発酵槽で除き、豆を洗ってから乾燥させます。乾燥式と水洗式の一番大きな違いは乾燥させてから果肉を除去するか(乾燥式)、果肉を除去してから乾燥させるか(水洗式)の違いです。

水洗式はそれぞれの工程で不純物(石やゴミなど)や欠点豆が除去されていくため、生豆になった段階での精製度はきわめて高く豆面も揃って綺麗なため高品質です。しかし、設備投資とすべての精製過程に手間がかかるため生産コストが高くなります。

 

半水洗式

乾燥式と水洗式のちょうど真ん中にあたる精製方法です。収穫したコーヒーチェリーを水洗いし、機械によって外皮と果肉を除去します。次に天日で乾燥させ、さらに機械乾燥させて仕上げます。水洗式との違いはコーヒーチェリーを発酵槽に入れない点で、乾燥式より品質が安定するというメリットがあります。

 

 

乾燥式と水洗式の違い

見た目の違い

見た目は水洗式のほうがより濃いグリーンをしており、一般に生豆は緑や青系の色が濃いほど水分量が多く、褐色から白に近いほど水分量が少ないとされています。水洗式の生豆はシルバースキン(生豆に付着した薄皮)が取れやすく、表面に独特のつやがあります。逆に乾燥式はシルバースキンが残っていることが多いです。

ただし水洗式のコーヒー豆は、焙煎後も深煎りをしない限りセンターカットのシルバースキンが白く残るのい対して、乾燥式の場合は焼けてなくなってしまいます。そのため焙煎後でも両者の判別はそれほど難しくありません。

 

欠点豆の違い

乾燥式の一部良品を除けば、ほとんどの豆に質的バラツキや乾燥ムラが見られ、未熟豆も過熟豆もごちゃごちゃになっていることが多い。欠点豆のうち最も焙煎者泣かせの豆はヴェルジと呼ばれる未熟豆と発酵豆です。生豆の段階でも判別が難しく、ハンドピッキングの目を逃れ、ひとたび焙煎されてしまうとほとんど判らなくなってしまう。

一方、水洗式の生豆は製品化されるまでに何度も水洗いされるため石やゴミなどの混入は限りなく少ないです。欠品豆も少なく、ハンドピッキングの手間がはぶけます。水洗式の欠点は製造工程で水を多く使うため、発酵してしまった豆が混ざることが稀にあることです。

 

焙煎法の違い

乾燥式のコーヒー豆は水分が芯から抜けていて焙煎しやすいモノが多いです。水洗式のコーヒー豆は含水量が多いため焙煎の難易度は高くなり、焙煎があまいと酸味と渋味が強く前面に出てきてしまいます。

一見すると乾燥式のコーヒー豆のほうが焙煎しやすいように思えますが、乾燥式の欠点であるサイズのバラツキや乾燥ムラが多いので一概には言えません。

 

 

当社の扱うコーヒー生豆の精製方法は水洗式です。詳しくはこちらです。

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