
今回の出張でインドネシア産コーヒー豆の取引先を訪問した際、世界一高いコーヒーとして知られている、コピルアックの精製工程も見に行きました。
ワイルド・コピルアックとは

映画『かもめ食堂』や『最高の人生の見つけ方』で取りあげられたことでも有名なコピルアック。
ご存知の方も多いと思いますが、コピルアックとは、上記の写真のジャコウネコ(ルアック)がコーヒーチェリーを餌として食べます。
そのコーヒーチェリーの豆(種と思えばわかりやすいです)は消化されずに排泄されます。
そうして精製されたコーヒー豆がコピルアックです。
コピルアックには養殖物と天然物があります
コピルアックの独特で複雑な香味は、ジャコウネコ(ルアック)の腸内の消化酵素や腸内細菌による発酵からもたらされるもので、言わばジャコウネコ(ルアック)の体調によって味わいが変化します。
近年コピルアックの過剰な需要のため、山から複数のジャコウネコ(ルアック)を捕まえてきて、檻に入れ、無理やりコーヒーチェリーを食べさせてコピルアックを精製する業者が多数存在します。
そのようなコピルアックは、熟していないコーヒーチェリーを食べさせていたり、ロブスタ種のコーヒーチェリーを食べさせたりしています。
なにより、自由に山を歩き回れず、檻に閉じ込められているジャコウネコ(ルアック)は、体調があまり良いとは言えず、本当に素晴らしいコピルアックは作り出すことができません。
対して天然物のコピルアックは、野生に生息するジャコウネコ(ルアック)が、コーヒー農園で育てられているコーヒーチェリーを食べ、出された排泄物を山に入り拾い集める方法で作られます。
本来ジャコウネコ(ルアック)は、十分に熟したコーヒーチェリーしか食べず、自然と良いコーヒー豆を選別しています。
しかし、養殖物と比べると圧倒的に採れる量が少なく、増え続ける需要に追いつくことができません。
さらには、野生のジャコウネコ(ルアック)が養殖用に乱獲され、年々数が減少しているため自ずとコピルアックの生産量も減少しています。
ワイルド・コピルアック(精製方法)

天然物のコピルアックは、コーヒー農園やその近くの山で、このような形で落ちています。
コーヒーチェリーだけが消化され、パーチメントが付いた状態です。

それを水洗いして天日干しにします。

拡大するとこのような感じです。
ワイルド・コピルアックを脱穀しました

次にパーチメントを剥がしていきます。

今回特別に試飲用のコピルアックを、昔ながらの方法での脱穀を体験させていただきました。
※試飲用のためサンダルで脱穀していますが、正式な脱穀方法とは異なる方法です。

少量とはいえ、手作業で脱穀するのは大変ですね。
お手本を見せてもらいました。

パーチメントを剥がすと、中からグリーンビーンが出てきます。

一粒一粒このようになっています。

剥がれ落ちたパーチメントです。

脱穀したグリーンビーンを天日干しにしたら、ワイルド・コピルアックの完成です。
試飲しました

贅沢にすごく濃いめに淹れてもらいました。
非常に甘味が強く、独特の香りと濃厚なコクが特徴的でとても美味しかったです。
これだけ濃く淹れても嫌な苦味がまったくないので驚きます。
銅製の焙煎機

とてもオシャレな銅製の焙煎機が設置されていました。


釜部と冷却部に凹凸の模様が施されています。
今回ご紹介したワイルド・コピルアックはガヨマウンテンのアラビカ種

今回ご紹介したワイルド・コピルアックは、ガヨマウンテンのコーヒー農園で育てられた、アラビカ種のコーヒーチェリーのみで構成されています。
しかも、ガヨマウンテンで育てられているコーヒーは無農薬で育てられているため、100%オーガニック・100%アラビカ種・100%天然物の三拍子揃った、ワイルド・コピルアックの中でも王様と言っても過言ではありません。


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